昨晩、4Gamerにおいて角川ゲームス社長のインタビュー記事が掲載されました。
その中で艦これについてふれておりますので掲載いたします。
内容は非常に興味深いものとなっているので、
少々文章が長いですが折りたたみなしです。
「艦これ」は,角川ゲームスの新たな挑戦
4Gamer:
角川ゲームスはこれまで,コンシューマゲームを中心とした展開を行ってきましたが,4月には「艦これ」という初めてのブラウザゲームのサービスを開始し,非常に高い人気を集めています。そもそも,この企画が始まったきっかけはどんなところにあったのでしょうか?
安田氏:
「艦これ」については,サービスにたどり着くまで紆余曲折がありました。角川ゲームスの開発本部長は僕がやっており,先ほどの話に出た田中が副本部長を務めています。
この2人で二人三脚で開発プロジェクトを推進しているのですが,僕ら開発者は,新しい風に対する興味と不安,そして,5年,10年先にどうやってゲームを作っていくのかという問題意識を常日頃より持ち続けています。2年ほど前からソーシャルゲームの風が吹いてきたときにも田中と一緒に,ゲーム作りの未来像を話していました。
正直なところソーシャルゲームの課金モデルには違和感があり,とくにあの「ガチャ」という仕組みは,ゲーム屋としてどうしてもピンと来ないと感じていました。しかし,それだけでは単に他人を批判している評論家に過ぎませんから,いっそのこと僕達でゲームの新しい投資,回収モデルに挑戦してみようと。さらに言えば,コンシューマゲーム屋ならではのクオリティの高いものを出そうということになりました。
これは田中が企画/開発したもので,彼ともよく話すのですが,非常に私の考え方に近いことを実現してくれたと思っています。
4Gamer:
現在の人気ぶりを見る限り,その狙いは見事にハマりましたね。
安田氏:
おかげさまで……と言いたいところなのですが,数多くの反響と予想をはるかに超えたアクティブ率のために,満足に遊んでいただけないお客様がいらっしゃったことを本当に申し訳なく思っています。
4Gamer:
ただ,その後はサーバーも増強され,今では新規のプレイヤーさんも遊べるようになりました。
安田氏:
これからも自分達の納得のいくやり方で,ユーザーの皆さんの期待に応えていきたいです。
「艦これ」は,新しいIPをネットに生み出し,ユーザーの皆さんと一緒に育てていくというコンセプトなんです。既存のブラウザゲームやソーシャルゲームのパターンにとらわれない新しい取り組み方で,たくさんのユーザーの皆さんに愛着を持っていただけたらと思っています。このゲーム発のIPを,ゲーム内課金だけでなく出版を始めとするマルチメディア展開などで収益化していこうと考えています。
そんなコンセプトでスタートしたのですが,まさかここまで反響があることは予想できませんでした。
4Gamer:
その反響の理由はどこにあると分析されていますか?
安田氏:
ここはずばり,開発/運営チームを褒めたいですね。「艦これ」は開発チームが直接運営を担当していますが,田中達がこだわりと愛情を持って頑張っています。その愛情は,ゲームを触ってくれたユーザーさんにも感じ取っていただけたと思います。
4Gamer:
それと本作の場合,現在の課金システムがすごく好評ですよね。ガチャについては,今後も導入されない方向性だと考えていてもよさそうですか?
安田氏:
決して意固地になっているわけではありませんが(笑),とくに必要だとは思っていません。
4Gamer:
それを聞いて安心しました。やはり今後の課金について心配しているプレイヤーも多いようですし。
安田氏:
えっ,そうなんですか?
4Gamer:
読者のレビューなどを見ると,そこを心配している人は多いようですね。現状では,ドックや母港を最大まで拡張しても家庭用ゲームを1本買う程度の金額で済み,あとは一切課金しなくても快適に遊べます。
安田氏:
システム的にそういう仕組みになっていますからね。
4Gamer:
ちなみに先ほど話題に上った「艦これ」のゲーム以外での展開について,何かお話しいただけることはありますか?
安田氏:
本当はお話ししたいんですけどね(笑)。そちらについては,秋頃にほかのタイトルのことも含めて,いくつか大きな発表ができるかと思いますので,楽しみにしていてください。
いくつか補足です。
・赤文字の部分は元々の文章中でも赤文字でした。
・青文字の部分はNaoten的に感銘を受けた部分。
・文中に出てくる「田中」と言うのは田中謙介氏の事。運営鎮守府統括その人。
この文章内でNaotenが注目したのは2点。
1点目が赤文字にもなっている艦これの収益回収モデルについて。
ガチャと違って物販などの収益回収はユーザーも満足できて、
会社も収益が上げられてWin-Winで非常に良いと思います。
2点目は「田中謙介氏」がこだわりと愛情をもって運営しているという部分。
そしてそう言った姿勢が艦これ人気の一因である事を
社長自らが評価している部分です。
この2点から艦これはこれからも今までのスタンスを維持して運営されていく事が
明確になったのではないでしょうか。
今後、様々なメディアミックスを展開していくであろう事が予想される艦これ。
それでも運営鎮守府統括氏のこだわりと愛情があれば、
これからも「艦これ」は質を落とすこと無く続いていくであろうと確信して、
Naotenは満足気にキーボードを置くのでありました。
関連サイト「KILLER IS DEAD」「艦これ」そして「天空の機士ロデア」――角川ゲームス 安田善巳社長が,同社の最新作とその先について語ってくれた(4Gamer引用元記事)